ご あ い さ つ
2022年10月吉日
2022年9月29日、第15回定期大会の役員改選で新中央執行委員長に就任した真島勝重です。
全国港湾では、私が第10代目の委員長となります。現在の状況を鑑みれば、「港運労使の関係改善」を第一義とし、港湾業界全体の発展につなげられる一致点があれば、すなわち港湾労働者の賃金・労働条件が必然と向上する、そうした思いから、労使共有の課題、日本の港湾発展については積極的に労使協議を行っていくべきと考えます。
全国港湾は1972年11月1日、協議会結成により始まりました。私の就任直後に50周年記念式典も開催され、滞りなく行われたことは、ひとえに実行委員会並びに参加組合員全員の協力によるものであったとあらためて感謝申し上げる次第であります。
さて、1972年は激動の年で、振り返れば、あさま山荘事件で日本中が震撼し、沖縄返還で喜び、日中国交正常化からパンダ来日で日本中が沸き上がりました。
そうした時代背景の下、港湾では、すでに日・祝日の休日化を求める日祝完休連絡会議が結成され、反合理化闘争やコンテナ船を中心とした革新船に対する危機感など、港湾産業という産業別労働運動を強化しなければならないという先輩方の熱い思いで全国港湾は結成されました。
この50年間、雇用問題にかかる重要課題として事前協議制度の確立、港湾年金や完全週休2日制など新港湾労働体制を確認し、大きな発展をしてきました。しかし、日本の港湾は大きく変わりました。規制緩和の流れとともに、港湾運送事業法改正や港湾労働法改正、港湾の364日、24時間オープンなど、時代とともに港湾は変化していますが、エッセンシャルワーカーという名のもと、港湾労働者は物流の根幹を支える職業として、いかなる時も止まることなく港は動き続け、港湾労働者は在宅勤務など無縁で働き続けています。
そのような背景があっても、賃金や手当など待遇改善など、他産業の比較において憤りを感じます。
全国港湾の綱領の基本は、「魅力ある港湾労働」を目指すことにあります。
このことを基本に全国港湾の輝かしい歴史を継承するとともに、私が大好きな全国港湾が、強化発展をはかりながら、魅力ある労働組合であり続けたいと思います。
しかし、今日の労働組合は、非常に厳しい局面を向かえています。多くの労働組合、労働者が疲弊しています。
この現状を打破するために、今こそ労働者の団結が求められています。
そのためには、決してぶれることなく、自信と誇りを持って真の労働運動を突き進み、企業の枠を超えた全国港湾の掲げる産別労働運動を強化し、発展させていきます。
今日叫ばれている労働力人口の減少、このこと自体は事実ですが、しかし、新卒の労働者あるいは働く意欲のある労働者が日本から全くいなくなったわけではありません。単なる人手不足だからどうしようもないと安易に自動化に進むのではなく、魅力ある港湾労働の確立を目指し、むしろ多くの若者が港湾で働きたいと思われるような産業にしていかなければなりません。
そのためには、どうするか、どうあるべきかが問われると思います。当然、労働組合の力だけでは限界があります。そのためには、国土交通省、厚生労働省をはじめとした関係行政と日本の港湾発展のための施策を協議し、日本港運協会を中心とした港湾関係諸団体と力を合わせ、やっていかなければならない課題だという強い思いであります。
私たちは労働組合ですから、当然のことながら賃金や労働条件で一致点を見つけるために、労使で協議・交渉で努力を重ね、時にはぶつかり合います。
しかし、日本の港湾を今以上に活気に満ちて、不安を払拭し、より働きやすい職場にしていこうという点については、同じ方向性を向いて、関係行政や港湾関係諸団体との共通認識であり、極めて重要な課題であります。
このことが実現してこそ初めて、日本の港湾労働者の地位向上、賃金・労働条件の向上に繫がっていく、すなわち「魅力ある港湾労働」が確立すると私は確信しています。
これから10年後、20年後の未来に向けて、全国港湾に結集するすべての組合員から知恵をお借りして、微力ながら日本の港湾に発展、港湾労働者の地位向上をめざし、全力で取り組んで行く所存であります。
全国港湾に結集するすべての労働組合、組合員の力を結集して、「魅力ある港湾労働」を実現しましょう!
全国港湾労働組合連合会 中央執行委員長
真島 勝重